学会長メッセージ

-第19期会長就任にあたって-

2018年度農村計画学会 春期大会 新会長挨拶にて(写真提供:柚山義人 氏 農研機構)

このたび第19期農村計画学会会長に指名されました国立環境研究所の青柳みどりです。私は,農業経済学科を修了後,当時は環境庁の研究部門だった国立公害研究所に職を得て,現在,国立研究開発法人国立環境研究所におります。これまで主に環境問題と人々の対応について研究をしてきました。今後2年間,よろしくお願いいたします。
本学会の会長を引き受けることにあたって,今後の学会のあり方や学会運営について,私が考えていることを会員の皆様にお伝えしたいと思います。
私は、今期の学会の活動のあり方として、以下の3つを柱に進めたいと考えています。(1)国際化,(2)チャレンジ,(3)専門性の追求です。まず国際化ですが,大学における留学生の増加,また日本の農村における海外からの交流人口の増加という状況を見ますと、農業・農村を研究対象にしている研究分野の人材も,また日本の農業農村を関心の対象としている人々も国際化していると言えると思います。学会としてこれに対応することで,学会の人材の幅も,また対象の幅も広げることができます。
第二の柱は新たな課題へのチャレンジです。新たな課題は新たな手法を必要とすることもあります。そのような新たな課題に、躊躇なく,そして必要なことを遅滞なく進めるという態度が重要です。これまでも本学会は東日本大震災にも、熊本の大地震にもそうやって対応してきました。結果として、農山村における防災計画という分野が本学会に確立したと思います。これからも農村計画が取り組むべき課題は山積です。積極的にチャレンジしていきましょう。
第三の専門性の追求については、以下のように考えています。ここは学会ですから農村計画という専門分野に取り組む専門家の集まりとして当然なのですが,それでもなお,自分がよってたつべき専門分野は何か,敢えて言うなら自分がこの世界でやっていくための武器は何かについて常に意識し,それを磨いていく必要があるということを会員それぞれが認識し実践していくということが重要だと思います。農村計画はそもそも学際的な分野ですから,学会員のそれぞれの専門分野は多様です。その多様な専門分野の人々が集まって農村計画という分野を作り上げています。一人一人の専門性が「広く薄く」では,学界全体として薄っぺらな分野にしかなりません。自分の専門分野を深く追求し厚みを持たせ、そして他の会員と共同して実践していく。そのような実践により、本学会の活動に、より厚みが出てくると思います。
今期は19期です。次の20期が終了すれば学会設立40年になります。学会創立時に大学院生だった先輩方は、既にOBとなっておられます。もう一度ここで創立時の精神を振り返り,農村計画学が何を目指していたのか,そしてそれは,どの程度達成されたのか確認する時期でもあります。また,さらに,次の時代を担う若い世代の方々を含めて、新たな農村計画の目指すところを議論し,新たな目標を設定していかなくてはならない時期でもあるということを意味します。学会の新たな出発に向けて、しっかりと準備していきましょう。

青柳みどり