-会長挨拶-
農村計画学会長、斎尾直子です。
1982年に設立された本学会は2022年に40周年を迎えました。約800の会員、団体会員によって構成され、そのヒューマンスケールである良さも活かしながら、研究者や学生に限らず、多くの実務家や地域づくり組織の方々に参加いただいています。そして、この40年間、本学会が対象としてきた農山漁村地域は、なりわいの捉え方、伝統的な暮らし方、内発的・外発的な影響、等々が大きく変容してきましたが、素晴らしい地域資源の宝庫であることに変わりありません。
本学会の特徴は、農村計画専門家集団による多分野融合型であることだといえ、具体的には、社会、経済、法律、建築、土木、緑地、地理、環境科学等、様々な領域からの会員が集まり活動展開しています。会員の皆様には、学会誌購読だけでなく、大会参加、論文投稿や発表、シンポジウム・研究セミナー参加、共同調査プロジェクト等への参加を通して、本学会の多分野融合的な魅力をぜひ享受していただきたいと思っています。
2011年東日本大震災の発災から13年経ちましたが、復興を継続しながらも、熊本地震、胆振東部地震、能登半島地震等の各地での大震災や豪雨災害等、農山漁村での自然災害が多発している状況にあります。復興を目指すための調査・研究、活動実践現場では、私たちの学会の強みである農村計画専門家集団であることが活かせる場面は多くあるはずであり、22期も引き続き災害対応に力を入れていきます。
さて、2020年からの長期間のコロナ禍を経て、私たちの働き方や学び方、その意識も従来とは大きく変化しつつあります。本学会も前21期より、春期大会(総会・春期シンポジウム)は完全オンライン開催、秋期大会(全国大会)は完全対面開催、というメリハリのある体制に変わりました。学会としても、多様な年代、様々なライフステージの会員が、より、参加しやすく情報を得やすく交流しやすい改善方法を常に模索しています。
農村計画学会は、少子化かつ高齢化社会の先のさらに先を行く農山漁村地域を共通フィールドとし、国際的にも最先端の課題を共有することができる学会です。変動してゆく時代の農山漁村地域のありようを多くの皆さんと議論していければと考えています。
第22期会長 斎尾 直子